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2015.07.27
世界最古のゴルフトーナメント、ジ・オープンはまさにその年のゴルフ世界一を決める大会です。
それに倣うように、各国でその国のゴルフナンバー1を決める大会が開催されています。
アメリカでは全米オープンが1895年から、日本オープンは1927年から始まっています。
しかし誰にでも出場の門戸を開いていますから、その国のゴルファーが優勝するばかりではありません。
日本オープンは1937年の陳清水を皮切りに、のべ13人の外国人ゴルファーが優勝しています。
近年日本ツアーでも海外勢の活躍が目立ちますが、久保谷健一、小林正則、池田勇太とここ3年は日本人が意地を見せています。
さてジ・オープン、全米オープンに続いて1904年には世界で3番目に古いオープン競技として、カナディアンオープンが創設されました。
カナダのゴルフシーズンは4月中旬から10月まで、雪の多い国なので1年の半分しかゴルフができません。
国民に最も人気のあるスポーツはアイスホッケーで、ゴルフは決してメジャー競技ではないようです。
そんな国のナショナルオープンですから、第1次大戦で中断される前の11回は6度カナダ人が優勝していますが、その後は1954年のパット・フレッチャーただ一人です。
PGAツアーの大会であるということもありますが、そのほとんどの優勝者は隣国アメリカ人で占められており、カナダ人は61年間もの長い間優勝から遠ざかっています。
近年でカナダ人が最も優勝に近づいたのが2004年大会。
マイク・ウィアが3日目を終えて首位に立ちました。
前年のマスターズを制したカナダでは英雄的な存在です。
しかし最終日はバック9で3つのボギーを叩き後退。
当時ワールドランキング1位だったビジェイ・シンに追い上げられ、勝負はプレーオフとなりました。
3ホール目で3打目を池に入れてしまい、このホールを無難にパーとしたシンに最後は優勝をさらわれてしまいました。
マイク・ウィアはPGAツアーで8勝を挙げることになりますが、ついに母国のナショナルオープンは手にできていないままです。
今年のカナディアンオープンはグレンアビーゴルフコースで開催されました。
オンタリオ州トロントの郊外にあり、ジャック・ニクラウス設計のカナダで最も格式のあるゴルフ場です。
ゴルフ場内にはカナダのゴルフ殿堂もあり、グリーンジャケットを羽織るウィアの写真も飾られています。
奇しくもウィアが敗れたゴルフ場で、再びカナダ人が3日目を終えて首位に立ちました。
デイビッド・ハーン、36歳。
グリーンブライヤークラシックで、プレーオフの末にダニー・リーに敗れたツアー未勝利の選手です。
世界ランキングは128位ですが、フェデックスランキングでは38位と、今シーズンは度々上位に顔を出しています。
ハーンの最終日は連続バーディからスタートしましたが、結局この日はスコアを伸ばせず。
ぐずぐずしている間に最終組のひとつ前をまわるジェイソン・デイが、上がりの3ホールで連続バーディを奪い、17アンダーと一気に逆転してしまいました。
これで61年ぶりの地元勢の優勝への期待は絶たれてしまいました。
敗れたハーンは「本当に今日はカナダ人であることを誇りに思えた。素晴らしい経験で、またこの位置に戻ってきたいと思う。今日の気持ちはいつまでも忘れない」とコメントしています。
きっといつかカナダ人がナショナルオープンを制し、カナダにゴルフブームが到来する時代が来るでしょう。