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2015.07.23
今日も第144回ジ・オープンにまつわるお話です。
今年の舞台となったセントアンドリュース・オールドコースは、ゴルフ発祥の地とも言われています。
いつだれが作ったのかもわからない、世界最古のゴルフコースです。
1873年に初めてジ・オープンが開催され、今年で開場になるのは29度目です。
コースは南北に細長く、アウトとインでは逆向きの風が吹きます。
この風向きにより、ホールの難易度が全く違うものになってしまいます。
今年は南風が吹いている時間が長く、アウトはフォローの風、インはアゲンストの風が吹き荒れていました。
ここにアウトがバーディ合戦となり、インが我慢大会になってしまった理由があります。
松山英樹も4日間で、アウトは14バーディノーボギーと伸ばしていながら、インは4バーディ10ボギーと6つもスコアを落としています。
アウトとインで20打もスコアが違うのです。
優勝したザック・ジョンソンは、アウトが12バーディノーボギー、インは10バーディ7ボギーとボギーを打ちながらもスコアを伸ばせています。
ここが松山とジョンソンの差でした。
それでは各ホールのアベレージスコアを見てみましょう。
AVG | |
1番 | 3.843 |
2番 | 4.042 |
3番 | 3.862 |
4番 | 4.150 |
5番 | 4.464 |
6番 | 3.858 |
7番 | 3.799 |
8番 | 3.044 |
9番 | 3.807 |
OUT | 34.869 |
10番 | 3.778 |
11番 | 3.089 |
12番 | 4.011 |
13番 | 4.193 |
14番 | 5.008 |
15番 | 4.112 |
16番 | 4.239 |
17番 | 4.655 |
18番 | 3.758 |
IN | 36.843 |
アウトとインで2打近い差があります。
アウトは9ホール中6ホールで平均スコアがアンダーですが、インは10番と18番の2ホールだけです。
これは我々が思っている以上にフォローはスコアを伸ばす要因になり、アゲンストではスコアを落としやすいということを示しています。
17番に至っては5番パー5より平均スコアの悪い難しいホールでした。
しかし最終ホールは一番やさしいパー4が待っている。
これが絶妙な試合展開を呼び起こしました。
つまり早い時間からスタートした選手がアウトでどんどんスコアを伸ばしていきます。
下位が伸びてくると上位の選手というのは逆にプレッシャーを感じてしまいます。
このプレッシャーに打ち勝った選手だけが上位に残れます。
そして前半で伸ばした選手も後半はどれだけ耐えられるが肝です。
最終日のミケルソンのように、16番までノーボギーで6つ伸ばしていながら、17番でトリプルボギーを打って終わってしまうということもありました。
プレーオフに進んだ3人の選手も、ホールバイホールを見ているだけで緊迫感が伝わってきます。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | |
ジョンソン | ― | 〇 | ― | 〇 | 〇 | ― | 〇 | ― | 〇 | 〇 | ― | 〇 | △ | ― | ― | ― | △ | 〇 |
9 | 10 | 10 | 11 | 12 | 12 | 13 | 13 | 14 | 15 | 15 | 16 | 15 | 15 | 15 | 15 | 14 | 15 | |
リーシュマン | 〇 | ― | 〇 | 〇 | 〇 | ― | ― | ― | 〇 | 〇 | ― | 〇 | ― | ― | ― | △ | ― | ― |
10 | 10 | 11 | 12 | 13 | 13 | 13 | 13 | 14 | 15 | 15 | 16 | 16 | 16 | 16 | 15 | 15 | 15 | |
ウエストヘーゼン | 〇 | ― | ― | ― | ― | 〇 | ― | △ | 〇 | ― | ― | 〇 | △ | ― | ― | ― | ― | 〇 |
13 | 13 | 13 | 13 | 13 | 14 | 14 | 13 | 14 | 14 | 14 | 15 | 14 | 14 | 14 | 14 | 14 | 15 |
設計者は人間ではなくゴルフの神様なのかもしれません。