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2015.06.22
今年のメジャー第2戦、全米オープン選手権が閉幕しました。
優勝したのは今年のマスターズも制したアメリカのジョーダン・スピース。
マスターズと全米オープンの連勝は2002年のタイガー・ウッズ以来、史上4人目の快挙でした。
今年の全米オープンの会場はワシントン州のチェンバーズ・ベイ・ゴルフコース。
太平洋岸北西部の大都市シアトルにも近い、スコットランドのリンクス風のゴルフ場です。
ワシントン州での開催、リンクスコースでの開催、オープン8年の若いゴルフ場での開催、日によってパー5のホールが変わるなど、USGAとしても様々な新しい試みが行われました。
賛否両論はありましたが、最後は手に汗握る白熱の試合展開になりました。
西海岸ということでサンデーバックナインは、日本では月曜日の午前中というテレビ観戦の難しい時間帯でした。
今日は最後の展開を振り返ってみようと思います。
まず3日目を終えた時点で、トップは4アンダーで4人が並んでいました。
最終日最終組はジェイソン・デイとジャスティン・ジョンソン、ひとつ前の組でブランデン・グレイスとジョーダン・スピースです。
5位とは3打差離れていましたので、大方はこの4人の中から優勝者は出るだろうという予想でした。
しかし4人ともなかなかスコアを伸ばすことが出来ず、早い時間にスタートした選手が追い上げを見せてきます。
まず3オーバーの19位タイからスタートしたアダム・スコットが、6バーディノーボギーの64で回り、通算3アンダーでホールアウトしました。
ボギー、ダボの簡単に出るコースということで、この3アンダーというのがひとつの基準になりました。
最初に脱落したのはデイでした。
アウトで2バーディ3ボギーとスコアをひとつ落とすと、10番でボギー、さらに13番ではアプローチに失敗しダブルボギーを叩きます。
ここでスコアをイーブンまで落としてしまいました。
首位は12番でバーディを奪ったグレイスとスピースが5アンダーで並んでいました。
一時は6アンダーまで伸ばしていたジョンソンも10番、11番で連続ボギーを喫し、取らなければいけない12番でもスコアを伸ばすことが出来ませんでした。
さらにジョンソンは13番でも3パットのボギーを叩いてしまい、3アンダーまでスコアを落とし、勝負は最終組のひとつ前を中心に展開していきます。
次にスコアが動いたのは16番です。
グレースがティーショットを大きく右に曲げOB、このホールをダブルボギーとしてしまいます。
逆にスピースは8mのバーディパットを沈め、一気に3打のリードを広げました。
スピースの雄たけびがグリーンにこだまします。
(スピース-6、グレース-3、ジョンソン-3、スコット-3)
ところがすぐ次の17番ショートホールで、スピースはティーショットを長いフェスキューのラフに入れ、2オン3パットのダブルボギーとしてしまいます。
グレースはこのホールをパーとし、差はわずかに1打まで縮まりました。
(スピース-4、グレース-3、ジョンソン-3、スコット-3)
さらに前の組でプレーするルイ・ウーストヘイゼンがじわじわと伸ばしてきていました。
12番から16番までなんと5連続バーディ。
さらに18番のロングホールでも3打目を3mのバーディチャンスにつけ、これも沈めて4アンダーでホールアウトしました。
(スピース-4、ウーストヘイゼン-4、グレース-3、ジョンソン-3、スコット-3)
18番は601ヤードと距離はありますが、2オンも可能で最終日の平均ストロークは4.720でした。
まだ誰が優勝するか分かりません。
プレーオフの可能性も十分に残されています。
まずグレースのティーショットは左バンカー、スピースはフェアウェイの左サイドを捉えました。
グレースはセカンドをショットをグリーン手前50ヤード地点に刻みます。
スピースは残り279ヤードの左足上がりのライから、見事手前5mのイーグルチャンスにつけます。
こうなるとスピースのバーディは固いですから、グレースは3打目をチップインさせなくてはいけません。
しかしこのアプローチショットはショートし、グレースは2パットのパーでホールアウトしました。
最終組の17番はどうなっているでしょうか。
17番は最終日は219ヤードに設定された距離の長いショートホールです。
ここまでバーディは3人だけの難易度の高いホールです。
しかしジョンソンのティーショットはカップ手前2mにつくスーパーショットでした。
これをバーディとし首位に返り咲いたのです。
(ジョンソン-4、スピース-4、ウーストヘイゼン-4、グレース-3、スコット-3)
18番グリーンに戻ります。
すでに最終組は18番のティーショットを打ち終えており、ジョンソンはフェアウェイ右サイドを捉えています。
残り距離は246ヤードとジョンソンなら十分に2オンが可能な距離です。
スピースのイーグルパットが決まれば、ジョンソンには大きくプレッシャーをかけることが出来ます。
この5mのイーグルパットは惜しくもカップをかすめ、スピースはバーディでホールアウトします。
優勝の可能性が残されたのは、スピースとジョンソンのふたりに絞られました。
(スピース-5、ジョンソン-4、ウーストヘイゼン-4、グレース-3、スコット-3)
さあジョンソンのセカンドショットはどうなるでしょうか。
ジョンソンのショットはグリーンセンターにキャリーし、カップを4mほど通り過ぎてとまりました。
スピースより距離は短いですが、下りの右に切れる難しいラインです。
決めれば初のメジャー制覇、外してバーディなら翌日18ホールのプレーオフです。
イーグルパットはカップの左を掠めて通り過ぎ、1.2mほど下で止まりました。
ギャラリーの口から大きなため息が漏れますが、このバーディパットはきっちり沈めてプレーオフになるものと誰もが思いました。
ところがこの短いバーディパットも左に外してしまい、ジョンソンは痛恨の3パットを喫してしまうのです。
この瞬間スピースが第115代全米オープンチャンピオンに輝きました。