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2015.06.20
今日ももう少しMMT9の話題です。
MMT9はプロの出場する本戦でもキャディのつかないセルフプレーです。
さらにカートも使わず、選手が自分でキャディバッグを担いで歩きます。
そして目土袋の携行が必須とされています。
目土袋(めつちぶくろ)って何?と思う方もいるかもしれませんが、ゴルフ場の乗用カートの後ろにぶら下げてある砂の入った袋のことです。
何のための砂袋なのでしょうか。
フェアウェイやラフからショットを打った際に、下の芝生を剥がしてしまうことがあります。
そのまま放置しておくと芝生の根が枯れてしまい、フェアウェイが穴だらけになってしまいます。
時々とった芝生を戻しているゴルファーを見ますが、これは日本の高麗芝では意味がありません。
洋芝の場合はとった芝生からも根が生えて修復されますが、高麗芝では芝も枯れ根も枯れてしまいます。
目土をする理由は湿度を保つことにあります。
目土を施すことにより湿度がキープされ、芝生を切り取られた根から再び芝が生えてくるのです。
3時間以内に目土がされれば、ほぼ1週間で元通りの姿に戻ります。
ところが24時間以上放置されてしまうと、元に戻るのに1か月以上かかってしまいます。
目土なんてコースがすればいいと思うかもしれませんが、この時間という制約がプレーヤーへの目土をお願いする根拠でもあるのです。
ちなみにゴルフ規則でも第1章に次のように書いてあります。
第1章 エチケット
◎ コースの保護
ディボット跡やボールマーク、靴による損傷の修理
プレーヤーは(a)自分たちの作ったディボット跡や、(b)球の衝撃によってパッティンググリーン面にできたボールマーク(プレーヤー自身の球によるものに限らない)を入念に直しておくべきである。
ディボット跡というのが、つまりスイングで芝生を切り取った跡のことです。
ゴルフ場というのは自分だけの専有の場ではなく、すべてのプレーヤーの共有の場です。
共有の場を互いに保護することで、すべてのゴルファーが気持ちよくゴルフがプレーできるように、というのがこの第1章の趣旨でもあります。
ゴルフは「紳士のスポーツ」と言われますが、他者への気配りも紳士の心得のひとつですよね。
と、建前はここまでにしておきます。
「紳士のスポーツ」と言いますが、本来ゴルファーは我が強い生き物です。
「紳士」になりたいから「紳士のスポーツ」という言葉を使います。
「情けは人のためならず」という諺もありますが、目土も人のためではなく自分のためにしてみましょう。
私の場合は「さすがゴルフパートナーのカリスマ店長。えらいね。」と思われたいからやっています。
というのは冗談ですが、打った跡をそのままにしておくのが恥ずかしいからやっています。
犬や猫ですらおしっこの跡に砂をかけるものです。
人間だって恥ずかしいと思ったら、その跡には砂をかけてもいいじゃないですか。
先週のサントリーレディスで、アマチュアの新垣比菜が3日目を終えて4位タイにつけていました。
最終日は79と崩れ、22位タイに終わってしまいましたが、テレビにも映るシーンがありました。
このシーンの中で、ショットの後に自ら目土をする様子が放映されました。
これに感化されて目土をするようになったゴルファーも私は知っています。
理由はなんだっていいんです。
マナーは押しつけではなく、自発的に身につけたいものです。