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2015.06.07
このところルールに関する問い合わせを受け、ルールブックを改めて見直しています。
今週のヨネックスレディスでも、優勝争いを演じている大山志保が、初日にペナルティを受ける場面がありました。
経緯は次のようなものです。
12番のグリーンで短いパーパットを打とうとした際、ストローク始動後にボールが動いたが、そのまま打ってしまったというものです。
大山本人は動いたようにも動いていないようにも見えたが、引きずるよりはすっきりしたいということで、競技委員に自己申告し、このホールをボギーとしてスコアカードを提出しました。
このプレーの場合、ゴルフ規則18-2bが適用されます。
18-2 b アドレスしたあとで動いた球
プレーヤーのインプレーの球がアドレスしたあとで動いた場合(ストロークの結果として動いた場合を除く)、プレーヤーはその球を動かしたものとみなされ、1打の罰を受ける。プレーヤーがストロークを始めたあとや、ストロークのためにクラブを後方に動かし始めたあとに球が動き、その球をストロークしてしまった場合を除き、その球はリプレースされなければならない。
*規則18の違反の罰は
ストロークプレーでは 2打
*なお、球をリプレースしなければならないのにリプレースしなかったり、球の取り替えが許されないのに規則18に基づいて取り替えられた球をストロークしたときは、プレーヤーは規則18の違反に対して一般の罰を受けるが、この規則に基づく罰の追加はない。
ルールブックというのは実に分かりづらい日本語で書かれています。
プレーヤーがアドレスをとった後に、明確な物理的要因がなくボールが動いた場合は、プレーヤーがボールを動かしたとみなされ、1罰打を付加します。
大山は動いたか動いていないかはっきりしなかったと言ってますが、処置に迷った場合は自分に不利になるような裁定を下す、これもゴルフルールの大原則です。
最近はギャラリーやテレビ視聴者からの指摘も増えているので、罰打を付加せずにホールアウトした場合、あとから過少申告で失格になってしまう、というケースも見られるようになりました。
同じ日に似たようなプレーが若林舞衣子にもありましたが、こちらは2打のペナルティとなってしまいました。
18番で左ラフから第3打を打とうとした際、スタンスをとるために足を置き、球の後ろの芝にクラブが触れて球が動きました。
この場合は球をリプレースして(元の位置に戻して)プレーしなければなりませんが、若林は球を戻さずにそのまま打ってしまいました。
戻して打てば1罰打だったものが、戻さずに打ったので2罰打になってしまったのです。
大山のようにストロークを指導した後だとそのまま、若林のようにストロークを始める前だと元の位置に戻します。
ルールを深く理解していないと、簡単に罰打が増えていってしまいます。
このブログを読んでいる方が競技ゴルファーばかりだとは思っていませんが、ルールを理解することはゴルフへの理解をより深めてくれると思います。
ぜひゴルフ規則を愛読書にしてみてください。