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2015.05.24
今週の女子ツアーは中京テレビ・ブリヂストンレディスが開催されています。
開場は愛知県の中京ゴルフ倶楽部石野コース。
私もキャディで1度、プレーヤーとして1度訪れたことがあります。
今年で33回目を迎える長寿大会で、ちょっとしたアクシデントが発生しました。
2日目を終え8アンダー、首位と3打差の3位タイにつけていた鈴木愛が過少申告で失格となりました。
事の顛末はこうです。
初日の12番ショートホール。
鈴木のティーショットは右に曲り、池の淵ぎりぎりでボールは止まりました。
ラテラル・ウォーターハザード内でしたが、鈴木は救済を受けずにそのままプレーしました。
しかしボールを打つ前に枯葉を取り除いてしまったのです。
枯葉はルースインペディメントであり、規則では以下のように定められています。
「ルースインペディメント」とは自然物であり、次のものを含む。
●石、木の葉、木の枝など
●動物の糞
●ミミズ、虫類、その他類似のものおよびその放出物や堆積物
ただし、前記のものであっても次のものは除く。
●固定されているもの、生長しているもの
●地面に固くくい込んでいるもの
●球に付着しているもの
砂とバラバラの土は、パッティンググリーン上にある場合はルースインペディメントであるが、それ以外の場所ではルースインペディメントではない。
雪と自然の氷(霜を除く)は、プレーヤーの選択でカジュアルウォーターかルースインペディメントとして扱うことができる。
露と霜はルースインペディメントではない。
23-1 救 済
ルースインペディメントと球の両方が同じハザード内にあるか、またはそのハザードに触れている場合を除き、どのようなルースインペディメントも罰なしに取り除くことができる。
注:球がハザード内にある場合、プレーヤーは同じハザード内にあるか、そのハザードに触れているどのようなルースインペディメントにも触れたりそれを動かしたりしてはならない(規則13-4c参照)。
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規則23の違反の罰は
マッチプレーでは そのホールの負け
ストロークプレーでは 2打
13-4 球がハザード内にある場合;禁止行為
規則で決められている場合を除き、プレーヤーは、バンカーであるかウォーターハザードであるかにかかわらず、ハザード内にある球や、ハザード内から拾い上げられていてあとでそのハザード内にドロップするかプレースすることとなる球をストロークする前に、次のことをしてはならない。
c.そのハザード内にあるか、またはそのハザードに触れているルースインペディメントに触れたり、それを動かすこと。
つまり鈴木の球はハザード内にあったので、本来は枯葉を取り除くことはできません。
しかしボールが打てるのでスルーザグリーンにあるときのように、無意識に取り除いてしまったのでしょう。
これはアマチュアでもやってしまいがちなことですので、気をつけたいところです。
そして同伴者の馬場ゆかりと比嘉真美子に指摘され、鈴木は自身のスコアにペナルティを課しました。
ところがここで勘違いがもうひとつ起こってしまいました。
本来は2打罰であるところを1打罰としてしまったのです。
これには馬場も比嘉も気づかず、そのままスコアを提出してしまいました。
そして翌日になってギャラリーからの指摘を受け発覚し、競技委員会が事実確認をしたところ、スコアの過少申告が判明しました。
以下の規則に基づき、鈴木は競技失格となってしまいました。
6-6 d スコアの誤記
競技者は、自分のスコアカードに記入された各ホールのスコアが正確であることについて責任がある。
競技者があるホールのスコアを真実のスコアよりも少なく申告した場合、その競技者は競技失格となる。競技者があるホールのスコアを真実のスコアよりも多く申告した場合は、そのホールのスコアは申告どおりとする。
今回のアクシデントでは、 鈴木には三重のミスがありました。
1.ハザード内でルースインペディメントを動かしてしまったこと。
2.本来は2打罰のところを、1打罰で処理してしまったこと。
3.ルールに不詳であるのに、競技委員を呼ばなかったこと。
ゴルフの本来のルールは、「球はあるがままにプレーする」というところにあります。
しかしプレーの続行が困難な状況では、“救済”を受けることが出来ます。
この本来の考えからすると、鈴木の行動は2打罰ではなく、「2打付加することで、ハザード内でもルースインペディメントを動かすことが出来る」という救済に置き換えられます。
ルールブックに書いてあるのは、全て救済を受ける方法です。
ルールを知ることは、プレーヤーに有利に働きます。
みなさんはキャディバッグの中にルールブックをお持ちでしょうか。
ルールブックを持つことはエチケットのひとつであると考えます。