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2015.03.02
アイアンの短尺化についてもう少し考察を深めてみようと思います。
まずアイアンの番手表記に基準はありません。
なので38度のピッチングウェッジがあれば、41度の8番アイアンがあってもいいのです。
しかしロフトは多種多様でありながら、どのモデルでも7番なら7番であまり変わらないものがあります。
それがヘッド重量です。
どのメーカーのどのモデルでも、7番アイアンのヘッド重量は270g前後です。
それはプロ向けのマッスルバックでも、シニア向けのワイドキャビティでもあまり変わりありません。
なのでアイアンの重量差というのは、ほとんどシャフト重量で決まってしまいます。
というわけで、アイアンの番手の基準はどうやらヘッド重量にあるようです。
ゴルフクラブを選ぶときに、ヘッドバランス(スイングウエイト)を揃える、という考え方があります。
バランスは目安のひとつではありますが、あまり気にしすぎてもいけません。
120gのスチールシャフトしかなかった時代の考えなので、今の30gから120gまであるシャフト重量を考慮にいれる必要があります。
なので50g程度の軽いカーボンシャフトをアイアンに挿す場合、D0程度のバランスに揃えるために、スチールシャフトと重量が同じヘッドに、何の根拠も無く0.5インチ長くして挿されています。
シャフトを軽くして長くするのであれば、ドライバーと同じように、ヘッド重量は軽いほうが振りやすくなるのかもしれません。
しかしバランス信仰が邪魔をして、Cバランスのアイアンは売りづらいでしょうから、ヘッド重量が軽くなることはありません。
ドライバーを選ぶときは、自分にとって振り易いヘッド重量のクラブを探すゴルファーは多いです。
アイアンのヘッド重量にバリエーションを持たせるということは、アイアンの長さを考えることにつながるのでしょう。
ウィークロフトとは軽くて長いアイアンです。
そうしたアイアンを使っているゴルファーは、ドライバーでは短くて重たいものを持つ傾向があります。
ストロングロフトとは短くて重たいアイアンです。
こうしたアイアンは長くて軽いドライバーを持つゴルファーをターゲットにしています。
つまりアイアンとドライバーで逆転の現象が起こってしまっています。
あいまいな記憶ですが、かつてアーニー・エルスは7番アイアンからピッチングウェッジまで同じ長さでした。
昨年の世界アマに出場したアメリカの選手に、9本のアイアンが全て同じ長さの選手がいました。
完全な特注品のクラブなので、気軽に試せるものではないですが、面白い考え方であることは確かです。
ウィークロフトがかっこいい、ストロングロフトはかっこ悪い、そんな風潮がありますが、自分にとって振り易い“ヘッド重量”というものを探してみてください。