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2014.03.06
セール開催中です。3月31日まで。
昨日YOUTUBEで昔のトーナメントの動画を見ていました。
特におもしろかったのが1999年の全英オープンでした。
http://www.youtube.com/watch?v=EqGiioIJeTg
「カーヌスティの悲劇」と呼ばれる、ゴルフ史に残る試合です。
3打のリードを持って最終ホールまでたどり着いたフランスのバンデベルデ。
6年前にヨーロッパツアーで1勝しただけの無名の選手が、フランス人としてはおよそ1世紀ぶりとなる全英チャンピオンに王手をかけていました。
カーヌスティの18番は通常営業ではパー5ですが、この大会ではパー4で設定されていました。
フェアウェイの両側とグリーンの手前にバリーバーンと呼ばれる小川が流れる難ホール。
優勝スコア6オーバーという難しいセッティングを象徴するホールでした。
17番までは非常に安定したキレのあるショットを放っていたバンデベルデですが、この18番にきた途端に人が変わってしまったようでした。
ダブルボギーでも優勝というこの場面、多くの人はティーショットはアイアンで刻むものと思っていましたが、バンデベルデが手にしたのはドライバー。
メジャー優勝へのプレッシャーからか、肩が全くまわっておらず、大きく右プッシュ。
ボールは隣の17番のティーグランド前の短いラフまで飛んでいってしまいました。
バリーバーンに掴まらなかったことが不幸中の幸い。
セカンドショットこそ刻むものと思われましたが、バンデベルデはグリーンを果敢に狙います。
しかしボールは再び右に飛んでいきます。
ギャラリースタンドに跳ね、バリーバーンの岩に跳ねて、手前の深いラフの中に入ってしまいました。
ここでも不幸中の幸いなことはバリーバーンに掴まらなかったこと。
しかし今度は膝が隠れるほどのラフでした。
バンデベルデのサードショットは60ヤードほど、バリーバーンを超えるには30ヤードも飛ばせば十分でした。
しかしゴルフの神様は非情なことに、またもバンデベルデにこれまで通りのショットをさせてくれませんでした。
ラフの抵抗が思いのほか強かったのか、しっかりフォロースルーを取れなかったショットは、ついにバリーバーンに掴まってしまいました。
救済を受けると次が5打目。
乗せて1パットで優勝、2パットではプレーオフです。
しかもドロップできる場所はバリーバーン後方の深いラフの中だけ。
果たしてバンデベルデに冷静な判断はできるのでしょうか。
バリーバーンの中でボールのライは、水面からボール4分の1ほど頭を出していました。
ボールを確認しにいったバンデベルデは、なんとシューズと靴下を脱ぎ、水面に下りていったのです。
しかし水に入った時の波紋で、ボールは完全に水の中に隠れてしまいました。
結局ウォーターショットは諦め、後方にドロップすることになりましたが、非常に印象的な場面でした。
5打目はまたも深いラフの中から。
バンデベルデのショットはまたもフォローが振りきれず、バリーバーンは越えたものの、グリーン手前のバンカーに入ってしまいました。
ここから乗せて1パットでようやくプレーオフです。
バンカーから2打で上がる確率は、トッププロでも50%から60%ほどです。
中継に度々登場する奥さんは見ていられないという表情でした。
バンカーからの6打目はなんとかピン横1.5mにつけました。
そして7打目は17番までのバンデベルデが蘇ったように、しっかりとカップの真ん中から沈めました。
これでトリプルボギー。
3打あったリードは簡単になくなり、ポール・ローリー、ジャスティン・レナードとのプレーオフとなりました。
全英オープンのプレーオフは15番~18番の4ホールのストロークプレーで争われます。
結果はローリーがイーブンで優勝、バンデベルデは3オーバーでした。
メジャー優勝を逃したバンデベルデが、次に勝利の美酒を味わうのは2006年のマデイラアイランドオープンでした。
そんなバンデベルデも今は47歳になり、ユニセフの親善大使を務めています。
ゴルフ場にはさまざまなドラマが待ち受けています。
2014年はどんなドラマがうまれるのでしょうか。